ポップ・シンガー、セリーヌ・ディオンと偉大なる名物プロデューサー、フィル・スペクター。今では険悪な2人だが、もし彼らの共同制作が今も続いていたなら、カナダを代表するスーパースターのファンはもっと素晴らしい歌声を聴くことができたかも知れない。しかし彼女はすでに自ら新しい領域にチャレンジしている。ミート・ローフのプロデューサー、ジム・スタインマンとのコラボレーション「It’s All Coming Back to Me Now」は型破りな作品だ。『All the Way… A Decade of Song』は単なるミリオンセラー歌手のベストではない。ファンへの感謝として「My Heart Will Go On」「Because You Loved Me」「Beauty and the Beast」を含むシングル9曲をセレクト。さらに新曲は通常なら1、2曲のところを、なんと7曲も収録。いずれもファンの期待を裏切らない出来だ。タイトル曲「All the Way」では故フランク・シナトラの歌声をフィーチャー。シナトラ・ファンは一連の合成デュエット物もこれで打ち止めにしてほしいと思うかもしれないが、「I Want You to Need Me」「Live」といった完成度の高い曲も用意されている。今なおファンを魅了し続けるセリーヌ・ディオンだが、アーティストとしてさらなる飛躍が期待できそうだ。(Rickey Wright, Amazon.com)

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